後継者不在率の推移
(出典:帝国データバンクより)
一方で後継者候補がいる場合には、60代以降の社長では後継者を子供と指名するケースが多く、50代以下の社長では親族や非同族を後継者と考えているというデータがでています。
社長が後継者を考える場合、子供→親族→従業員→外部招聘という順番で考えることが一般的です。
後継者候補
(出典:帝国データバンクより)
ドイツの宰相のビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と語ったそうです。
多くの人は自分で失敗を経験して初めて失敗の原因に気づきその後同じ失敗を繰り返さないようにしますが、賢者は他人の失敗の歴史から学び、自分が同じ失敗をしないようにするということです。
多くの方にとって事業承継は一生に数回の経験であり、事業承継は多くの労力と人を巻き込んで行われます。
一度失敗して次失敗しないようにすればいいや、という訳にはいきません。
事業承継は、親族だけの問題ではなく会社全体に影響を及ぼします。事業承継を検討されている方は、事業承継の経験が豊富な専門家にご依頼いただくことをお勧めいたします。
徳川家康は1603年に江戸幕府を開き、わずか2年後の1605年に将軍職を息子の秀忠に譲りました。
まだ若い後継者の秀忠を家康がサポートし、秀忠に帝王学を学ばせ早くから事業承継を行うことで、徳川が天下人であることを世に知らしめていきます。
そしてその後江戸幕府は約260年続き、徳川家康は事業承継の最たる成功例と言われております。
なぜ徳川は事業承継に成功したのか、家康が行った事業承継対策を現代版に置き換えて考察すると、次の2つの要因で事業承継が成功したといえます。
相続が起こってしまった後に後継者が事業を引き継いだ場合には、後継者は社長のサポートを受けることができません。「エースで4番で監督」の社長ほど何かあったときが大変です。社長が生前に後継者を指名して権限委譲を行うことで後継者の成長を促進し、後継者が方向性を誤りそうな場合にはSTOPをかける事ができます。
事業承継をした後、長生きをした
家康は1605年に事業承継をし、1616年に亡くなっています。つまり、事業承継を行ってから約11年間存命であったということです。
また、生前に後継者にバトンタッチすることで相続後の争いを避けることができます。自分がなくなった後に「争続」とならないよう、生前に事業承継を行うことが重要です。
亡くなる直前に事業承継対策を行っても意味がありません。大事なことは、社長が元気で意思能力があるうちに事業承継を実行する事です。
多くの場合、社長にとって事業承継は喫緊の問題ではないため先送りにされる傾向にあります。事業承継の対策を検討する場合、あと社長がどれくらい元気でいてくれそうか、で対策の方法が変わってきます。
というのも、民法により「本人が認知症などになっていて意思能力がないと判断されたとき は、その法律行為は無効」とされるためです。
認知症になってから形だけの贈与契約を締結していたとしても、その法律行為は無効のため贈与はなかったものとされる可能性があります。
株価が高い業績好調な会社の社長が、将来の相続税を減らすために生前贈与により後継者に株式を贈与した場合において、贈与がなかったと認定されたときは、その生前贈与が否認され、結果として高い相続税を支払うことになってしまします。
大事なことは早い段階、元気なうちから事業承継を検討し、専門家に相談する事です。
事業承継は大きく分けて「株式の承継」と「人の承継」の2つに分けられます。
株式の承継とは社長が保有する株式会社の株式の承継で、人の承継とは社長から後継者へ経営者としての地位の承継を意味します。事業承継を円滑に行うためにはこの2つの要素をよく検討した上で行うことが重要です。
事業承継にあたり、まず一番最初に決めることは「後継者を誰にするのか」です。
事業承継のパターンは大きく分けて以下の4通りに分けられます。
子供や親族を後継者とする選択肢です。ここで大事なのは子供を後継者とした場合に、本当に経営者としての資質があるか、本人に覚悟があるか、をよく見極めることです。社長は従業員だけでなくその家族まで背負っていくため、客観的な立場での判断が求められます。
①親族内承継
②親族外承継
親族に後継者がいない場合、従業員の方に会社を引き継いでもらいます。長年一緒に仕事をしてきた信頼できる方に会社を任せることができるのは大きなメリットといえます。
③M&A
親族にも従業員にも後継者がいない場合にはM&Aが選択肢に挙がってきます。社長は株式を第三者に譲渡し、株式を買い取った方に会社を引き継いでもらいます。
④廃業
M&Aでも買手が見つからない場合は廃業せざるを得なくなります。廃業した場合は従業員は職を失い、債権者に債務を弁済して会社を清算します。
後継者が決まったら、株式の移転の方法や移転の時期を検討していきます。
株式の移転の方法は売買なのか贈与なのか
株式の移転の時期はいつにするのか
後継者の株式取得に係る資金調達はどうするのか
株式を引き継がない他の相続人の遺留分対策はどうするのか