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事業承継・組織再編
後継者不在の現状
現在、日本にある企業のうち99.7%が中小企業で、日本全体の従業者数の約7割にあたる約3,200万人が中小企業に雇用されています。中小企業においては、後継者が見つからないことで事業が黒字でも廃業を選択する経営者が多いのが現状です。
廃業すれば従業員は職を失うことになり、国としても後継者不在を問題視していて「事業承継」を後押ししていこうと税制や公的な支援を打ち出しています。
令和2年現在、全国平均で65.1%の企業で後継者が不在であり、事業承継の検討期に入る50代で約7割の企業が後継者がいないと回答しています。
後継者不在率の推移
(出典:帝国データバンクより)
一方で後継者候補がいる場合には、60代以降の社長では後継者を子供と指名するケースが多く、50代以下の社長では親族や非同族を後継者と考えているというデータがでています。
社長が後継者を考える場合、子供→親族→従業員→外部招聘という順番で考えることが一般的です。
後継者候補
(出典:帝国データバンクより)
ドイツの宰相のビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と語ったそうです。
多くの人は自分で失敗を経験して初めて失敗の原因に気づきその後同じ失敗を繰り返さないようにしますが、賢者は他人の失敗の歴史から学び、自分が同じ失敗をしないようにするということです。
多くの方にとって事業承継は一生に数回の経験であり、事業承継は多くの労力と人を巻き込んで行われます。
一度失敗して次失敗しないようにすればいいや、という訳にはいきません。
事業承継は、親族だけの問題ではなく会社全体に影響を及ぼします。事業承継を検討されている方は、事業承継の経験が豊富な専門家にご依頼いただくことをお勧めいたします。
なぜ徳川は事業承継に成功したのか
徳川家康は1603年に江戸幕府を開き、わずか2年後の1605年に将軍職を息子の秀忠に譲りました。
まだ若い後継者の秀忠を家康がサポートし、秀忠に帝王学を学ばせ早くから事業承継を行うことで、徳川が天下人であることを世に知らしめていきます。
そしてその後江戸幕府は約260年続き、徳川家康は事業承継の最たる成功例と言われております。
なぜ徳川は事業承継に成功したのか、家康が行った事業承継対策を現代版に置き換えて考察すると、次の2つの要因で事業承継が成功したといえます。
相続が起こってしまった後に後継者が事業を引き継いだ場合には、後継者は社長のサポートを受けることができません。「エースで4番で監督」の社長ほど何かあったときが大変です。社長が生前に後継者を指名して権限委譲を行うことで後継者の成長を促進し、後継者が方向性を誤りそうな場合にはSTOPをかける事ができます。
事業承継をした後、長生きをした
家康は1605年に事業承継をし、1616年に亡くなっています。つまり、事業承継を行ってから約11年間存命であったということです。
生前に後継者を指名し、後継者をサポートしながら権限移譲を行った
また、生前に後継者にバトンタッチすることで相続後の争いを避けることができます。自分がなくなった後に「争続」とならないよう、生前に事業承継を行うことが重要です。
亡くなる直前に事業承継対策を行っても意味がありません。大事なことは、社長が元気で意思能力があるうちに事業承継を実行する事です。
多くの場合、社長にとって事業承継は喫緊の問題ではないため先送りにされる傾向にあります。事業承継の対策を検討する場合、あと社長がどれくらい元気でいてくれそうか、で対策の方法が変わってきます。
というのも、民法により「本人が認知症などになっていて意思能力がないと判断されたときは、その法律行為は無効」とされるためです。
認知症になってから形だけの贈与契約を締結していたとしても、その法律行為は無効のため贈与はなかったものとされる可能性があります。
株価が高い業績好調な会社の社長が、将来の相続税を減らすために生前贈与により後継者に株式を贈与した場合において、贈与がなかったと認定されたときは、その生前贈与が否認され、結果として高い相続税を支払うことになってしまします。
大事なことは早い段階、元気なうちから事業承継を検討し、専門家に相談する事です。
事業承継の方法
事業承継は大きく分けて「株式の承継」と「人の承継」の2つに分けられます。
株式の承継とは社長が保有する株式会社の株式の承継で、人の承継とは社長から後継者へ経営者としての地位の承継を意味します。事業承継を円滑に行うためにはこの2つの要素をよく検討した上で行うことが重要です。
事業承継にあたり、まず一番最初に決めることは「後継者を誰にするのか」です。
事業承継のパターンは大きく分けて以下の4通りに分けられます。
子供や親族を後継者とする選択肢です。ここで大事なのは子供を後継者とした場合に、本当に経営者としての資質があるか、本人に覚悟があるか、をよく見極めることです。社長は従業員だけでなくその家族まで背負っていくため、客観的な立場での判断が求められます。
①親族内承継
②親族外承継
親族に後継者がいない場合、従業員の方に会社を引き継いでもらいます。長年一緒に仕事をしてきた信頼できる方に会社を任せることができるのは大きなメリットといえます。
③M&A
親族にも従業員にも後継者がいない場合にはM&Aが選択肢に挙がってきます。社長は株式を第三者に譲渡し、株式を買い取った方に会社を引き継いでもらいます。
④廃業
M&Aでも買手が見つからない場合は廃業せざるを得なくなります。廃業した場合は従業員は職を失い、債権者に債務を弁済して会社を清算します。
後継者が決まったら、株式の移転の方法や移転の時期を検討していきます。
株式の移転の方法は売買なのか贈与なのか
株式の移転の時期はいつにするのか
後継者の株式取得に係る資金調達はどうするのか
株式を引き継がない他の相続人の遺留分対策はどうするのか
会社が社長から借りている役員借入金はどうするのか
等々
上記はほんの一例で、事業承継にあたり検討することは多岐にわたります。
重要なことは、その方の実情に合わせて対策を実行していくことです。
事業承継・組織再編業務の流れ
非上場会社の株式は相続財産になるため、事業承継と相続は密接に関わってきます。また、非上場会社の株式は上場株式と違い売却できないため、株を売って相続税を支払うということができません。一度、現状分析として株価算定をすることをお勧めいたします。
ご依頼いただいた場合の業務の流れは下記のような流れになります。
① 初回面談(無料)
会社の概要や、事業承継についてお考えのことをお伺いします。気になっていることを何でもお尋ねください。まだ後継者が決まっていない時点でも、後継者の方からのお問い合わせでも、お気軽にお問い合わせください。
② 現状分析・簡易株価算定
株価算定に必要な決算書などの資料を請求させて頂きます。
現状分析として簡易的な株価算定を行い、まずは会社の株式が相続税にどのくらい影響があるのか確認します。
※決算書の内容次第では株価算定をお断りすることがございます。予めご了承ください。
③ 提案
簡易株価算定をおこない問題がある場合、または将来問題が起こりそうな場合には改善策をご提案いたします。税金だけでなく社長と後継者の想いをお伺いしながら最適なプランを検討します。提案の際はメリット・デメリット・リスクの3点を必ずお伝えします。
④ 見積書の提示・ご契約
提案内容にご納得いただいた場合には契約書を作成させて頂きます。
合併や会社分割など、対策の内容次第では司法書士等と連携する場面があります。その際には私どもの見積りに加えて司法書士等の見積りも提示し、全体でいくらかかるのかを最初にご提示致します。
⑤ 対策の実行
ご契約の内容に従い対策の実行支援を行います。希望される場合には事業承継後も継続的にアフターフォローをおこないます。
特に組織再編があった場合には、税務署に提出義務のある附表や法人税の別表調整などは難解なため、手厚くフォローいたします。
事業承継業務をおこなう場合、普段の会社の決算や申告は今まで通り顧問の先生に対応いただくため、顧問税理士を変えるということではありません。そのため、顧問の先生に取って代わるということはございませんので、安心してお問合せください。
事業承継は、相続税・法人税・所得税・消費税・会社法 等 様々な影響を考慮し、全体を俯瞰して見ながら対策を実行する必要があります。
事業承継は、経験豊富な私どもへお任せください。
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