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相続が発生したときToDo
相続が発生したら、何から手をつければいいの?
実際に相続が発生したとき、相続手続きは何から始めたら良いのでしょうか?
戸籍ってどうやって集めるの?
知らない借金があったらどうしよう
遺言書が存在するかってどうやって調べるの?
相続は一生のうちに数回しか経験するものではなく、一から自分で調べていたら大きな労力を要します。
このページでは、実際に相続が発生した場合に、いつまでに何をすればいいのかを簡潔にまとめていきます。
相続開始からのスケジュール
相続開始から相続税申告までのスケジュール
相続税の申告書は、お亡くなりになってから原則として10ヶ月以内に提出しなければなりません。よって、10ヶ月というのが一つの目安になります。
10ヶ月というと一見すると十分時間がありそうに感じますが、ほとんどの方は仕事をしながらの手続きであるため、あっという間に時間が過ぎてしまう方がほとんどです。
相続において特に重要なのは相続の放棄であり、お亡くなりになってから原則として3ヶ月以内に手続きをしないと相続の放棄ができなくなってしまいます。
よって、相続税申告においては期限というものを意識しながら相続の手続きを行わないと、自分が不利益を被る可能性があります。
一般的に、相続開始から相続税申告までは以下のようスケジュールになります。
■相続発生から相続税申告までのスケジュール
【相続放棄・準確定申告】
相続が発生してから数か月は様々な対応に追われ、四十九日を終えてやっと落ち着いたくらいに相続税の事を考えだす方がほとんどです。
現行のルール上、原則として3ヶ月以内に相続の放棄をするかどうかの判断をし、4ヶ月以内に被相続人の所得税の確定申告書(準確定申告書)を提出しなければなりません。
四十九日が終わってから相続の放棄を考え出した場合には、実質1ケ月程度しか猶予期間がありません。その間に被相続人のプラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかの洗い出しをして、相続の放棄をする場合には家庭裁判所に必要な手続きをしなければなりません。
また、相続の放棄をしようとしていたのに被相続人の銀行口座から預金を引き出して自分で使ってしまい、相続の放棄ができなくなってしまったという事例もあります。(相続の放棄とは被相続人の財産の一切を相続しない事であり、一部でも財産処分を行った場合には相続の単純承認をしたとみなされ、相続の放棄ができない場合があります)
知らずにやってしまった結果、思わぬところで不利益を被ってしまう可能性があるため、相続が発生したら早めに税理士に相談する事をお勧め致します。
【資料収集(財産・債務の確定)】
だれがどの財産をいくら相続する、という遺産分割協議を行うために、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産のすべてを洗いだす必要 があります。その作業がこの資料収集になります。
遺産分割協議は通常数か月かかる事が多く、その前段階である資料収集期間は、実質四十九日からが終わって相続税申告を検討しだした時点から遺産分割協議までの間の約6ヶ月程度しかありません。
さらに、この資料収集が非常に大変です。大変な理由は、自分のものではない『他人のものの資料を集めるから』です。
お父さん、銀行口座って全部で何個もってるの?
どの生命保険に加入してるかって、どうやってわかるの?
実家以外に不動産って持っているの? どこを見ればわかるの?
資料収集を進めていくと、皆様このような疑問をお持ちになる事かと思います。この作業を約6ヶ月の間にやらなければなりません。
【遺産分割協議】
被相続人のすべての財産・債務を確定させたら相続人の全員で遺産分割協議を行います。相続人の全員が揃っていない状態で行われた遺産分割協議は無効であるため、この遺産分割協議の時点までに財産と債務がトータルでいくらあるのかを確定させなければなりません。
誰がどの財産をいくら相続する、という遺産分割協議がまとまったらその証として遺産分割協議書を作成します。
【相続税申告】
遺産分割協議がまとまったら、その内容を反映させて相続税の申告を行います。ここで一番重要なことは、原則として
相続税は
現金、かつ、一括で
納めなければならない
という事です。
例えば遺産分割協で実家の不動産を相続したが、現金を一円も相続しなかった場合には、その相続人が自分の持っているお金で相続税を納税しなければならない事となります。
仮に相続税を期限内に納税できない場合には、延滞税が発生して通常の相続税よりも多くの支払いをする事になってしまいます。
遺産分割をする際には、相続人全員が被相続人の預金のうちから相続税を支払えるような遺産分割を行う必要があります。また、この遺産分割は分割の方法次第で大きく相続税額が変わってくる可能性があり、税理士の腕の見せ所になります。
藤野税理士事務所で対応し、遺産分割次第で相続税額を大きく減額できた事例は、下記を参照ください。
相続税の申告と納税の両方を10ヶ月以内に行い、この手続きが完了したら後は不動産の名義変更などの手続きを行っていきます。この名義変更手続きが終わってやっと相続の一連の作業が完了する事となります。
結論:相続の手続きはこの順番で!
相続の資料収集は非常に難しいです。例えば明治時代の戸籍などは、ミミズみたいな字でそもそも何が書いてあるか文字が読めない、というケースも多くあります。
また、税理士からこの資料を取得して下さい、と言われて資料を取得して税理士に渡したら、これではないです、と言われてしまった方もいるかと思います。
よってこのページでは、結論としてこの順番でこの手続きをすればよいという結論を記載し、なるべくお客様に負担がないようにすることを目的として作成しております。
結論からいうと、下記の順番で相続手続きを行っていく事がほとんどの方にとって一番手間がかからず相続税申告の手続きを完結させることができます。
人によって必要な相続手続きは変わってくるため、ご自身に必 要のない手続きは省略して頂き、該当する箇所のみをご参照ください。
また、あくまで一般的な方の場合の情報提供を目的として記載しております。相続は100人いれば100人の物語があるため、ご心配な事がある場合には相続に強い税理士や司法書士へお問い合わせください。
■相続発生から相続税申告までの手続き一覧
1
戸籍の収集
相続税申告の申告をするにあたり、一番最初にやることは相続人の確定となります。その相続人の確定をするために必要となるのが戸籍の収集になります。
相続税申告では、被相続人(お亡くなりになった方)の生まれてから死亡するまでのすべての連続した戸籍が必要になります。例えば昭和10年に出まれて令和4年に亡くなった方は、昭和10年から令和4年までのすべての戸籍を収集しなければなりません。
また、戸籍は本籍地でのみ取得する事ができ、本籍地を転籍していたらその都度その本籍地の役所に問い合わせる必要があります。東京に住所があっても本籍地が大阪の場合には、大阪の市区町村に戸籍を問い合わせることとなります。また、転籍などを繰り返している人は数か所の役所から戸籍を取り寄せる必要があり、必要な戸籍を揃えるだけで数か月かかるのが通常です。
本籍地がわからない場合はどうしたらいいんですか?
戸籍謄本と戸籍抄本って、どっちを取得すればいいんですか?
戸籍のホチキスを外したらてダメって聞いたんですけど
そのような疑問に対して、戸籍の取得方 法について解説していきます。詳細は下記をクリックしてください。
なお、令和元年に戸籍法が改正され、将来は本籍地以外のどの市区町村でも戸籍の請求をする事が可能となる予定です。このシステム運用は令和5年を予定していますが、現状はまだ本籍地の役所に請求をして戸籍を取得していくこととなります。
3
債務(借金)の有無の確認
相続とはプラスの財産(現金や不動産など)とマイナスの財産(借金など)の両方を相続する事を意味します。マイナスの財産の方が大きい場合には、相続の放棄を検討する事となります。
事業を行っていて確定申告書などから借入金が把握できる場合は借金の存在を確認できますが、例えば違法な業者からお金を借りていた場合にはどうしたら良いのでしょうか。
借金があるかどうかって、どうやって調べるんですか?
連帯保証人になってるみたいなんですけど、どうすれば良いですか?
そのような疑問に対して、債務の確認方法について解説していきます。詳細は下記をクリックしてください。
4
相続放棄の検討
相続放棄は原則として、相続発生から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して必要な書類を提出し、相続放棄の手続きをしなければなりません。借金が財産よりも明らかに多い事がわかっていても、期限内に相続放棄の手続きをしなかった場合にはその借金は相続人が返済していかなければなりません。
相続の放棄をできる期間は、原則として相続が発生してか3ヶ月以内と非常に短いため、上記3の債務の有無の確認が非常に重要となります。
争続に巻き込まれたくないのですが、相続放棄は自分だけでもできますか? 全員が相続放棄しないとダメなんですか?
相続放棄しても、還付金の請求をしたら相続放棄できないって聞いたんですけど
相続人全員が相続放棄をしたにも関わらず、空き家の管理責任は放棄できないって聞いたんですけど
そのような疑問に対して、相続放棄について解説していきます。詳細は下記をクリックしてください。
なお、敢えて相続放棄をすることで相続税を減額できる場合があります。こちらの事例をご覧下さい。
また、プラスの財産を限度としてマイナスの財産を相続する限定承認という方法もあります。限定承認についてはメリットもありますがデメリットも多くあるため、実際はあまり利用されていないのが現状です。
限定承認を検討されている方は別途お問い合わせください。
5
法定相続情報一覧図の作成
1で必要な戸籍がすべて収集出来たら、法務局に対し法定相続情報一覧図の作成の申請をしましょう。
法定相続情報一覧図とは、被相続人の相続人関係を一覧図でまとめた家計図のようなものです。
法定相続情報一覧図を作成する理由は以下の2点になります。
●法務局が戸籍を見て相続人のチェックを行ってくれるため、相続人の判定に誤りがない
●銀行などで名義変更をする際に、戸籍の束をもっていかずとも法定相続情報一覧図があれば1枚で名義変更が可能となる。
なお、相続の放棄があった場合にはその内容が反映されません。また、被相続人または相続人に日本国籍がない場合には利用できない等のケースがありますが、ほとんどの方にとってこの法定相続情報一覧図を作成する事で、今後の相続手続きの手間を省く事ができます。
法定相続情報一覧図について解説していきます。詳細は下記をクリックしてください。
6
各種確認
1~5の他にも確認すべき事項があります。相続人の中に未成年や認知症の方がいる場合には、通常の遺産分割協議よりも多くの手間と時間を要 します。特に認知症になってしまい法律行為ができないと判断された場合の遺産分割協議はデメリットしかありません。
相続人の中に認知症の母親がいるのですが
相続人の中に未成年がいるのですが
兄が私の知らないところで贈与して貰っていたみたいなんですけど
その他に確認すべき事項について解説していきます。詳細は下記をクリックしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。相続手続きは通常の確定申告などに比べて、非常に多くの手間と労力がかかります。
相続の手続きは親族とはいえ他人の資料を収集する作業となります。遺言書などは最初から相続人にここに保管してある、と伝えておけば相続人側でゼロから探す手間がかかりません。
自分がやれば10の作業量で済むところを、残された相続人がやる場合には100の作業量が生じてしまいます。
100の作業量の仕事を自分がやるか相続人がやるか、というのではなく、自分がやれば10の作業量で済み、相続人がやれば100の作業量がかかるという話になります。
遺言書がある場合には、残された家族はその遺言書を見れば、どこにどの財産がある、と一瞬で判断できます。
『墓場まで持っていく』という事ががない方以外には、是非とも遺言書の作成をお勧め致します。
相続税申告なら、藤野税理士事務所へお任せください!
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